Replay?


 どうやら俺はコイツを好きになる運命らしい。もう懲りたはずだったのに。
 再び出会ってやっぱりつき合ってる。俺の隣にいる。過去に見た時と同じ表情で微笑んでる。
 やっぱり俺は安心する。
 あっと、告白しておく。俺は偶然にも二度目の人生を手にした。
 違う友の中で日々を送るはずだった。
 なのにこれだ。俺の隣にいるのは、コイツだ。前と学校が違うはずなのに。
 運命……なんだよな。コイツとつき合うってのは。んで、まんざらでもなく、俺はコイツが好きだ。今とっても幸せだ。
 でもさ、このまま行くと俺はコイツと別れることになるんだ。
 コイツのもとで一つの不幸が起きて、俺には手がつけられない状態になって、俺がなんて言ってもコイツは聞かなくて、俺の方も頭にキて、結局別れるんだ。
 そして順調に、前と同じ人生を歩んでる。
 一緒に映画を見に行って、笑い合って。
 一緒にスキーに行って、俺よりコイツの方が上手くて。
 前の人生と全く同じ。出会った場所以外は。
 だんだんと別れの日が近くなってることをコイツは知らない。
 でも、それでいいかもしれない。今、俺は幸せだから。
 つって、強がってみた。あはは、別れるのは悲しいさ。
 どうにかしてやる。……前の人生の時もどうにかしようと頑張ったけど、今度こそどうにかしてやる。
 もしかしたら、そのためにもらった二度目の人生かもしれないしな。
 そしてその日はついにやってきたわけだ。
 俺は努力したさ。負け犬にしか聞こえないかもしれないけど、頑張って俺はコイツに話しかけて、根気よくコイツの言うこと聞いてやって、前以上に努力した。
 でも気づいた時には俺の語気も強くなってて、必死になってるからこそなんだけど、それにコイツもカチンときたっぽくて、前と同じように最悪の事態になってることは確かだった。
 半ば諦めかけた時だ、ふと一つの考えが浮かんだ。
 嘘だろ、と思ったけど、考えれば考えるほど真実に思えた。
 俺は完全にお別れ宣言をする日に、コイツにそのことを告げた。
 最初は聞く耳持たないみたいな顔してたけど、やっぱ真実だったって事がそのあと変わっていった表情でわかった。
 そんな悲しい結末ってないだろ。
 俺だってそうとも思ったさ、今さえ楽しければいいって。コイツと別れるのも一つの幸せだって。
 でも、コイツは二度目でも俺を選んだんだろ。俺もコイツを選んだんだし。
 結局嘘はつけないだろ、お互い、な。



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